節税になる?ならない?第2回 倒産防止共済、小規模企業共済

◆倒産防止共済(経営セーフティ共済)⇒掛金を全額損金計上することが可能

法人が契約者となる定期保険は、法人税法通達改正により使い勝手が悪くなりました。(全額損金計上可能な保険料=被保険者1名あたり年間30万円が上限)

そのような中でも倒産防止共済は掛金を全額損金に計上することが可能です。

本来は、取引先が倒産してしまったなど急に資金繰りが悪化したときに積み立てた金額の10倍まで無担保無保証人で借り入れが可能となる制度です。

掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲(5,000 円単位)で自由に選択できます。掛金は掛金総額が800万円に達するまで積み立てることができます。

★解約するタイミングが大切

解約するにあたっては、40カ月以上の納付月数があれば掛金の100%が返ってきます。

倒産防止共済は解約して積立金を受け取るときには「雑収入」で計上されます。

黒字の年度に解約した場合、受け取った積立金全額分に課税されることになってしまいますので注意が必要です。誤って解約してしまうと、今まで損金計上してきたものと相殺されてしまうことになり、メリットを享受することができません。

一部損金計上可能な保険商品も同様ですが、解約するタイミングを意識した加入が重要となります。

(例:退職慰労金の支払い原資など)

◆小規模企業共済⇒掛金の全額を所得控除可能、さらに解約時は退職所得に!

★小規模企業の経営者、個人事業主の方にオススメ!

この共済制度は、小規模事業の経営者(個人、法人役員とも)であれば加入でき、退職金として積み立てていく制度です。

この制度は個人の所得税を減らす効果があります。

掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択できます。

役員も個人事業主も共通となるメリットとして、

①年末調整や確定申告時にその年の掛金全額を所得控除することができます。

②退任、事業を廃業など引退するときに、退職所得として処理することが可能です。

退職時受取の際は、退職所得となるため源泉所得税も大幅に節税できるため所得控除と合わせてダブルで恩恵を受けることができる非常にメリットの大きい制度です。

とある企業では、役員報酬増額+小規模企業共済加入で手取り額を減らさず、退職金を積み立てし、法人税の減税も見込むという運用をしているところもあります。

この二つの共済制度はメジャーな節税策ですが、メジャーなだけあって効果も高いです。

当グループでも加入のお手伝いが可能です。ご検討の際はご相談ください。

税理士法人ペガサス

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