節税になる?ならない 第1回 消耗品や資産の購入

節税とは、合法的な処理にて納税額を減らすことです。

私どもは、おおよそ決算の着地が見えてくると、経営者の意向を伺いながら、さらに事業として必要な資産形成や福利厚生を、事業展望、事業の繁閑などから判断して節税のご提案しております。

当然、必要でないものにお金を使いましょうとは提案しません。

税金を払ってでもお金を貯めましょうという提案をすることもあります。

ここで節税対象とする税は、法人税・所得税・消費税として話を進めます。

※消費税の簡易課税制度を利用している事業主様は消費税節税にはつながらないのでご注意ください。

大まかですが、

「節税=必要経費額、損金計上額、支払った消費税額を増やす」

と理解してください。

ですので「お金を使うこと」が節税の前提となります、現預金に余剰がある場合の検討となります。

中には節税に見えても、実際には課税を繰り延べているだけのものもあります。

その点はご注意ください。

このような場合は出口戦略が必要になり、合わせ技で節税になります。

また、所得税、法人税いずれにも税率が変わるところがあります。

法人税は資本金1億円以下、年間純利益800万以下の事業所は法人税率が15%となる特例があります。(通常は一律23.2% R5年2月現在)

所得税は累進課税のため最高税率45%まで課税所得額に応じて段階的に上がり続けます。

節税の結果、低い税率で計算できた場合などは少し効果が高まると言えます。

それと大切な事は、「不正を意図していないこと」です。

言い換えると、本当に必要なものについてお金を使うことを意識してください。

「必要だからこのような購入等を行った。適切な処理もしている。たまたまこのタイミングだった。」ということです。

これは税務調査時のポイントになります。

何故決算期末にこれほどの購入等を行ったのか?と普段では行わない処理が発生していると必ず確認されます。

それでは実際に節税策を見ていきましょう。

◎仕入、消耗品等の購入

これは決算期末に実施される方が多いと思います。

この場合、消耗財のため購入金額のすべてを経費に計上していくことで、法人税・所得税、消費税ともに税額が減る効果があります。

ですが、正規の処理では、当期中に使用するもの以外、つまり未使用分については棚卸を実施して経費ではなく資産に計上しなければいけません。

そうなると結果的には何の節税にもならなかったということがあり得ます。

棚卸在庫については税務調査でも必ず確認されるポイントです。

◎固定資産の購入

高額資産の購入で節税を!と考える方もいらっしゃると思います。

高額資産を購入した場合、基本的には減価償却という計算を行い、当期に計上できる経費を算出します。つまり購入金額のすべてを経費にできるわけではありません。

ですが、青色申告事業者でかつ資本金1億円以下の中小企業については特例で30万円未満のものについては一括で経費としてもよいという制度があります。(少額減価償却資産の特例)

余談となりますが、減価償却資産(土地、建物、車両などを除く)を所有していると償却資産税という税金がかかります。

これは所有する減価償却資産総額が一定金額まで達すると課税されるものです。

固定資産を取得すると固定資産台帳を作成しますが、この固定資産台帳に基づき、毎年市区町村に所有資産の報告(償却資産申告)を行い市区町村はその報告をもとに課税するという流れです。

固定資産台帳の中に遊休資産(もう使っていないもの)は記載されていませんか?

もう使っていないのに償却資産税の対象となっているものがあるかもしれません。

不必要な固定資産は廃棄・売却することも検討しましょう。

廃棄の場合、これを固定資産の除却といいます。未償却額があれば除却の際、残存価額を一括で経費計上することができます。

売却した場合、得られた金額と未償却額の差額によって売却益・売却損を計上することになります。

いずれの場合も、廃棄・売却した証拠を必ず残すようにしてください。

取引したことが分かる証明(領収、廃棄証明など)、廃棄・売却したことがわかる写真を撮影しておくことが大切です。

税務調査時にこの資料を提示できるよう準備しておいて下さい。

本当に廃棄・売却したのか?したと言いながら、安く従業員や経営者が手に入れるために購入していたものではないのか?という疑いがもたれるからです。

証拠を残しつつ、定期的に固定資産の確認をしておきましょう。

次回に続く