問題社員の配置転換でトラブル
運送会社Mでは、2年間の有期雇用契約で採用したドライバーが、採用後間もなく別の運送会社の運転手とけんかをしたり、お客様先で様々なトラブルを起こしていた。
いくつかの担当先を変更して対応してきたが、あまりに問題が多い為、大型冷蔵庫内の部署に配置転換を致しました。すると『雇用契約書の控えをよこせ。これを持って監督署に相談する』と会社に言ってきました。
このようなケースは、他人事ではありません。
従業員のやりたい仕事とこちらの期待する仕事の齟齬から起こるトラブルです。今回、会社の取った行動の中で問題となるのは、この方の採用が職務限定(ドライバー)の雇用契約である場合、本人の同意なく職務の変更はできないと主張される可能性が高いと指導させてもらいました。
このようなケースの場合、
- ① 職務変更が可能なら雇用契約書の取り直しをする。しかし、①が無理であれば
- ② 能力不足を理由に30日前の解雇予告又は解雇予告手当を支払って普通解雇とする
- ③ トラブル防止の為、有期雇用契約満了により雇止めとする
この3つが考えられます。
従業員自身に多くの問題がある場合、
- ① その都度、始末書を取る。
- ② 始末書には具体的な約束事、反省と同時に具体的な努力目標の記入をする。
- ③ 同じことを繰り返した場合や、努力したことが認められない場合、始末書中に自ら退職することの約束、会社の処分に従うことへの同意を取る。
たまたま、この会社のケースの場合、1ヶ月後に雇用契約期間が切れますので③も十分選択肢の中に入っています。
このように、会社と信頼関係が築けなくなってしまった従業員への処遇や対応は、専門家・プロにご相談ください。本ケースのように従業員に代理人がいる場合は、一つ一つの対応が訴訟に発展したりしてしまうケースもあります。