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ペガサス情報誌

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R4.9ペガサス情報誌

2022年09月02日

令和4年9月のペガサス情報誌を発刊させていただきました。

是非ご覧下さい。

 

♢今月のテーマ               Pegasus    

 

1.60時間超の残業代について

2.ふるさと納税とワンストップ特例

3.育休中の社保免除の改正

4.健康経営は新たな経営手法

 

♢1.中小企業60時間超の残業代引上げPegasus

労働基準法では、月60時間以下の時間外労働の場合だと割増賃金率が25%以上、月60時間超だと50%以上と定められています。現状、これは大企業にのみ適用されており、中小企業では猶予措置がとられ、月60時間以下でも月60時間超でも25%以上となっています。

しかし、2023年3月にはこの猶予措置が終了し、月60時間超の時間外労働においては割増率が50%以上に引き上げとなります。月60時間超の時間外労働を行った場合、割増賃金(25%以上を上回る部分)の代わりに代替休暇(有休)を与えることも可能です。

 

改正内容

中小企業の猶予措置が終了。月60時間超の時間外労働の割増賃金率を50%以上に引き上げ。

改正内容の詳細

時間外労働が60時間を超えてしまった場合、以下の2つのどちらかの対応が必要です。

  • 割増賃金率の引き上げ

 超えた時間に対して、50%以上の割増賃金率による割増賃金を支払う。

  • 代替休暇の活用

 割増賃金率の引き上げ分(25%)の支払いに代えて代替休暇(有休)を与える。

 

深夜・休日労働の取扱い

・深夜労働との関係

月60時間を超える時間外労働を深夜(22:00~5:00)の時間帯に行わせる場合、深夜割増賃金率25%+時間外割増賃金率50%=75%となります。

・休日労働との関係

月60時間の時間外労働時間については、法定休日に行った労働時間は含まれませんが、それ以外の休日に行った労働時間は含まれます。

 

法定割増賃金率の引き上げまでに企業が行うべき対応

法定割増賃金率引き上げによって、企業には人件費の変動などの影響が生じます。そのため、法定割増賃金率引き上げまでに企業が行っておくべき対応について挙げていきます。

月60時間超の時間外労働を把握し、割増賃金あるいは代替休暇の時間数を計算します。

また、人件費の増加を回避するため、60時間を超える残業を削減するよう努める必要があります。

 

月60時間超の時間外手当を適正に支払うためには、日々の時間外労働の時間数を管理するだけでなく、法定休日と法定外休日を明確に区分けし、カウントの対象となる時間を正しく抽出する必要があります。

 

2023年4月1日から割増賃金率が引き上げられるまで「まだ余裕がある」と思うかもしれません。しかし、業務フローの見直しによる業務効率化や勤怠管理システム導入などは、すぐにできるものではありません。

人事労務の担当者としては、法改正に伴う就業規則の見直しや現在の業務フローの洗い出し、システム化の検討、システム導入に伴う従業員への説明など、対応すべきことが多く発生します。直前になって慌てることがないように、しっかりとスケジュールを立てた上で今から準備を進めることをおすすめします。                                   (藁科)

 

♢2.ふるさと納税とワンストップ特例♢ Pegasus
  • ふるさと納税とは●

私たちは所得に応じて住民税を支払っていますが、自分の住む自治体ではなく、自分の住む自治体以外に納税(寄付)することを「ふるさと納税」といいます。

地方で生まれ育った人が故郷である地方を離れて都会で就職することによって、都会の自治体は税収を得ますが、人がいなくなった地方の自治体には税収が入りません。ふるさと納税は、都会に住みながら、自分の生まれ育った地方に一部を納税することによって、都市と地方の格差是正、地方創生を目的として設けられた寄付金税制です。

 

  • どこに寄付する?●

“ふるさと”と名前がついていますが、自分の生まれ育った故郷に限らず、旅行などで訪れたことのある地域や思い入れのある地域、応援したい地域など、どの自治体にでも、ふるさと納税をすることができます。

ご存じの方も多いかと思いますが、ふるさと納税をすると、所得税の還付や住民税の控除が受けられ、さらに地域の名産品の返礼品をもらうことができます。

返礼品目当てに納税している人も少なくはありません。返礼品目当てと聞くと、不純な動機に感じられますが、ふるさと納税をきっかけに行ったことのない、知らなかった自治体のことを知り、訪ねてみたくなったという方もいます。各自治体も、いかに魅力的な返礼品で寄付をしてもらうかに力を注いでいることと思います。様々なふるさと納税サイトがあるので、好きな地域や返礼品を探してみるのもいいですね。

 

  • いくらお得になるの?●

自己負担額2,000円というのを聞いたことがある方もいるかもしれませんが、寄付した金額から2,000円を引いた金額が、確定申告をした場合は所得税の還付と翌年の住民税から減額、会社員など確定申告しない場合は翌年の住民税から減額されます。1万円寄付したら8,000円の税金が所得税又は住民税から減額され、さらに、地域の名産品の返礼品がもらえるといった具合です。

なお、減額される金額には上限額があります。自分の収入(所得)などを入力すると、控除限度額を計算してくれるシミュレーションが各ふるさと納税サイトにあるので、利用してみてください。

 

  • 確定申告が必要?●

ふるさと納税は寄付なので、本来、所得税の確定申告で寄付金控除の申告をしなければなりません。しかし、ワンストップ特例という制度があり、寄付した自治体が5自治体以内なら、予め申請をしておけば、会社員の場合は確定申告をしなくてもよくなります。手続きは簡単で、「ワンストップ特例申請書」を翌年1月10日までに寄付をした各自治体に提出すればOKです。

ただし、寄付した自治体が5自治体を超えた場合や医療費控除を確定申告で行う場合などには、ワンストップ特例は利用できなくなり、確定申告で寄付金控除を行う必要があります

 

  • まとめ●

ふるさと納税をすることによって、自分の納める住民税で応援したい地域を応援でき、地域の名産品の返礼品がもらえるのは、素敵な制度ですね。寄付先を自分の意思で選択することができ、寄付先の自治体に直接貢献することができます。

本来は確定申告が必要ですが、会社員など確定申告をしない人でも、ワンストップ特例を使えば、確定申告の手間もかかりません

なお、ふるさと納税で住民税が減るのは、ふるさと納税をした年の翌年です。ふるさと納税をしたその年の税金の負担は大きくなります。つまり、翌年払うべき税金の前払いになるので、注意しましょう。いずれにせよ、制度をうまく活用したいものです。                                    (岩崎)

♢3.育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が改正!!  Pegasus

 

                    ~令和4年10月から適用~

■育児休業期間中の社会保険料の免除とは?  被保険者からの育児休業または育児休業に準ずる休業を取得することの

 申し出があった場合に事業主からの届出により、育児休業の開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月までの社会保険料が免除となる制度です。主な改正点は、次のとおりです。

■届出時における留意点

 ①届出の提出日

  同月内に複数回に分けて育児休業等を取得する場合、 

その月に取得する最後の育児休業等の届出時にまとめて届出することが可能です。

 ②育児休業等取得日数

  育児休業等の開始年月日と終了年月日の翌日が月内である場合、育児休業等の日数を記載します。

 ③就労予定日数

  出生時育児休業(産後パパ育休)期間中に労働者と事業主の間で事前に調整して就業を行う場合、その日数を記載します。

 ④育休等取得内訳

  同月内に育休等を複数回取得した場合、取得したそれぞれの育休等の期間を記載してください。(加藤)

♢4.健康経営の取り組みは、新たな経営手法 !!  Pegasus

■健康経営とは何か?

  従業員等の健康管理や健康増進の取り組みを「投資」と捉え、経営的な視点で考えて、戦略的に実行する新たな経営手法です。従業員の健康づくりを「投資」と捉えるのは、相応の「リターン」が期待されるからです。先進的に健康経営に取り組む企業では、「生産性向上」・「業績向上」・「組織の活性化」・「従業員の活力向上」・「企業価値向上」・「採用時の応募者数増加」などを実感されているとのことです。また、労務管理・労働安全対策の視点からの「法令遵守」・「リスクマネジメント」等の手法としても注目されています。

■健康経営の取り組みの第一歩は健康宣言から!!

  ①最初に社内で健康経営として取り組む内容を検討。

  ②健康宣言届出用紙に記入。

  ③協会けんぽ静岡支部へFAXまたは郵便で提出。

  ④健康宣言ボードと静岡県から認定書が送付されます。

  ⑤社内外に健康宣言していることを周知・発信する。   (加藤)

 ※静岡県内では、6月末で6,130社が「ふじのくに健康宣言事業所」となっています。

アンケートへのご協力をお願い致します!

ペガサス情報誌は、皆様のお役に立つ情報をお届けすることを目的として発刊しております(コラムを除く)。よろしければ、添付のアンケート用紙にて、あなたがペガサス情報誌の中で、興味を持たれた記事、参考となったという記事を教えて下さい。今後の記事の内容の参考とさせていただきます。お褒めのお言葉や、応援のメッセージを書いていただいた方、励みになります。本当にありがとうございます。

 

 

ペガサスコンサルティンググループ

伊藤社会保険労務士事務所

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