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一人親方 安全衛生対策 元請が注意する事項について

2023年04月28日

労働安全衛生法の改正省令が施行され、アスベストや電離放射線などを取り扱う危険有害な作業をするとき事業者が保護すべき対象が、2023年4月1日から「労働者」に当てはまらない一人親方にも広がりました。(ここでいう労働者とは、「職業の種類を問わず、事業または事業所に使用されるもので、賃金を支払われる者」です。なので、一人親方は労働者にはなりません。)

そこで、今回は、元請企業は具体的にどんなことを行っていけばいいのか解説します。

危険な有害作業とは

危険な有害作業とは、以下の労働者に対する健康障害防止のための保護措置の実施が義務付けられている作業が対象です。

・労働安全衛生規則 ・有機溶剤中毒予防規則 ・鉛中毒予防規則 ・四アルキル鉛中毒予防規則 ・特定化学物質障害予防規則・高気圧作業安全衛生規則 ・電離放射線障害防止規則 ・酸素欠乏症等防止規則 ・粉じん障害防止規則 ・石綿障害予防規則・東日本大震災により生じた放射線物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則

 

保護措置の内容

法令改正の主な内容は、作業を請け負わせる一人親方に対する措置と、同じ作業場所にいる労働者以外の人に対する保護措置の義務化です。

まず、元請企業は、作業の一部※を請け負わせる一人親方や下請け企業に対して、以下の3つの措置の実施する必要があります。

(※作業の全部を請け負わせるときは、事業者としての措置義務の対象とはなりません。)

・請負人だけが作業を行うときも、事業者が設置した局所排気装置等の設備を稼働させる(または請負人に設備の使用を許可する)等の配慮を行う
・ 特定の作業方法で行うことが義務付けられている作業については、請負人に対してもその作業方法を周知する
・労働者に保護具を使用させる義務がある作業については、請負人に対しても保護具を使用する必要がある旨を周知する

次に、同じ作業場にいる労働者以外の人に対しては、以下の4つの措置の実施が義務化されました。

・労働者に保護具を使用させる義務がある作業場所
→その場所にいる労働者以外の人に対しても保護具を使用する必要がある旨を周知すること
・労働者を立入禁止や喫煙・飲食禁止にする場所
→その場所にいる労働者以外の人も立入禁止や喫煙・飲食禁止とすること
・作業に関する事故等が発生し労働者を退避させる必要があるとき
→同じ作業場所にいる労働者以外の人も退避させること
・ 化学物質の有害性等を労働者が見やすいように掲示する義務がある作業場所
→その場所にいる労働者以外の人も見やすい箇所に掲示すること

これらの措置を行っていたら結果を伴わなくてもよいというわけではないので注意が必要です。何らかの手段で、一人親方の安全が守られるよう便宜を図らなくてはなりません。

まとめ

現場で事故が起きたとき、もし安全配慮義務違反があったら、一人親方であっても元請に対して債務不履行に基づく損害賠償を請求できる可能性があります。元請企業は、作業を請け負わせる一人親方が労災保険に入っていなかったら、甚大な賠償責任を負うことになるかもしれません。労災保険に加入していれば賠償責任の費用が軽減される可能性があります。最近では、労災保険に加入していない一人親方を現場に入れない元請企業も増えてきています。元請企業は、作業を請け負わせる一人親方に労災保険への加入を勧めてみてはいかがでしょうか。

参考資料「2023年4月1日から 危険有害な作業※を行う事業者は以下の1、2に対して一定の保護措置が義務付けられます」出典:厚生労働省

 

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