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ふるさと納税の制度が10月から変わります

2023年10月から、ふるさと納税の制度に関して改定が行われます。ふるさと納税は2008年から始まり、次のように変遷してきました。

 

2006年 「故郷寄付金控除」導入の提案

2008年 ふるさと納税制度が開始(当初は返礼品なし)

2011年 東日本大震災により寄付者が急増

2012年 ふるさと納税ポータルサイトの普及

2015年 「ワンストップ特例制度」の導入

2019年 返礼品の規制強化

2023年10月 返礼品のルール改正

 

今回の2023年10月からの変更点は、大きく分けて次の2点です。

 

①必要経費のルールが厳格化

2019年の改正により、自治体がふるさと納税のために使用できる必要経費は、寄付金額の5割以下、そのうち返礼品に関連する費用は3割以下と定められました。

今回の改定では、今まで曖昧だった必要経費のルールを厳格化し、必要経費に含める費用が明言されました。

〇今まで

 返礼品の調達費用

 寄付金の募集に要する費用

〇追加が明言された費用

 ワンストップ特例事務の費用

   寄付金受領証の発行費用

   その他の付随費用

その他の付随費用には、仲介サイト事業者への手数料も含まれます。配送料も含まれ、北海道や沖縄など遠方からの送料やクール便などは過大です。2023年10月からの改定により、自治体はこれらの費用すべてを含めた経費を寄付金額の5割以下に抑えなければならなくなりました。

 

②地場産品の基準が厳格化

2019年の改正により、返礼品は地場産品であることが条件になり、商品券などの金銭類似性の高いものや電子機器・家具など資産性の高いものは返礼品から除かれることになりました。2023年10月からはこの基準がより厳格化され、以下の条件が新たに追加されました。

   イ)加工品のうち熟成肉や精米について、原材料が同じ都道府県内産であること

   ロ)地場産品と他の地域産の品をセットにする場合、地場産品は全体の70%以上の価値があること

 

必要経費5割に含めなければならない費用が増えれば、各自治体は、返礼品の価格の見直し、質や量の調整をするかもしれません。また、地場産品の基準の厳格化により、返礼品の種類や数が減少するかもしれません。私たち納税者にとっては、10月以降、寄付金額の値上がり、返礼品の質や量の減少、選べる返礼品の選択肢が減ることが予想されます。

しかし、返礼品のお得さを売りにして寄付金を集める各自治体間の競争が過熱し、経費がふくらんだ結果、本来自治体のために使える税収が減少するという弊害が生じています。今回のルール改正で、寄付で集めたお金の使われ方がふるさと納税の趣旨に沿ったものになり、より有効に活用されるようになっていくといいと考えます。